業界動向

特定技能の新分野はいつから?物流倉庫・リネンサプライ・資源循環【2026年】

公開日:制度情報の最終確認日:2026年10月26日

この記事の要点

  • 2026年1月23日の閣議決定で、特定技能の対象は物流倉庫・リネンサプライ・資源循環を加えた19分野になりました。
  • 「新分野は2027年開始」とは限りません。2027年4月は育成就労の開始時期で、特定技能1号はリネンサプライが2026年6月1日から申請できる一方、物流倉庫と資源循環は試験の時期がまだ決まっていません。
  • 受入れ見込数は「上限」として運用されます。特定技能1号の合計は805,700人で、外食業は上限(5万人)を超える見込みとなったため、新規の受入れが止まっています。
  • 新3分野の在留者数は、2026年6月末時点ではいずれも0人、7月末の速報値ではリネンサプライが3人です。

2026年1月23日、政府は特定技能と育成就労の「分野別運用方針」を閣議決定し、特定技能の対象に物流倉庫、リネンサプライ、資源循環の3分野が加わりました。これで特定技能の対象は19分野です。

ただ、「19分野になった」ことと「19分野すべてで今すぐ受け入れられる」ことは同じではありません。この記事では、2026年10月26日時点で各省庁が公表している情報をもとに、新3分野の状況と、分野全体の受入れの動きを整理します。

新3分野の状況(2026年10月26日時点)

分野 所管 特定技能1号の状況 育成就労 1号の受入れ見込数
物流倉庫 国土交通省 準備中 技能試験の時期は未定。協議会は設置に向けて調整中(2026年9月時点) 2027年4月から 11,400人
リネンサプライ 厚生労働省 開始 2026年6月1日から在留資格の申請が可能。協議会の加入申請は7月31日から受付 2027年4月から 4,300人
資源循環 環境省 準備中 技能試験は「詳細決まり次第お知らせ」 2027年4月から 900人

在留者数は、2026年6月末時点では3分野とも0人でした。7月末の速報値では、リネンサプライが3人です。

「新分野は2027年開始」という説明に注意:2027年4月1日は育成就労制度が始まる日です。特定技能1号の開始時期は分野ごとに違い、リネンサプライはすでに申請できるようになっています。

新3分野の業務と受入れの条件

物流倉庫(国土交通省)

  • 業務:倉庫内での貨物の入出庫、保管などの作業。主な業務は、入出庫する貨物の受け渡し・検品、貨物の移動、保管場所への格納、ピッキング、流通加工など。
  • 流通加工の範囲:小分けの再包装、タグの取り付け、ラベル貼り、セット組みなど。国土交通省のQ&Aでは、商品の機能を完成させる工程は含まれないとされています。
  • 受入れ機関:倉庫業の登録を受けた倉庫業者や、その倉庫で委託を受けて作業する者、貨物自動車運送事業の許可を受けた者で倉庫作業を行う者など。
  • 日本語:特定技能1号はA2相当以上(日本語能力試験N4など)。
  • 2号:国土交通省のページでは「現時点で特定技能2号の受け入れはありません」とされています。
  • 試験・協議会:特定技能1号の技能評価試験の時期は未定で、協議会は設置に向けて調整中です(2026年9月時点)。

リネンサプライ(厚生労働省)

  • 業務:ホテルや病院などで使われたリネン類の入荷、仕分け、洗濯、乾燥、仕上げ、検品、結束、出荷などの一連の業務。
  • 受入れ機関:業界団体が定めた衛生基準の認定を受けた施設であること、分野別協議会の構成員になることなど。
  • 技能・日本語:リネンサプライ分野特定技能1号評価試験と日本語の試験。リネンサプライの技能実習2号を良好に修了した人は、技能試験が免除されます。
  • 開始状況:2026年6月1日から特定技能1号の在留資格の申請が可能になり、協議会の加入申請は2026年7月31日から受け付けています。在留資格の申請の前に協議会への加入が必要です。評価試験の実施時期は、10月26日時点で厚生労働省のページに記載がないため、最新の案内を確認してください。

資源循環(環境省)

  • 業務区分:廃棄物処分業(中間処理)。一般廃棄物と産業廃棄物のどちらも対象で、減量化、減容化、安定化、安全化などの中間処理を行います。
  • 受入れ機関:廃棄物処理法上の処分業者などに当たり、環境大臣が設置する協議会の構成員であることなど。雇用は直接雇用に限られます。
  • 試験:資源循環分野特定技能1号評価試験。環境省のページでは、詳細は決まり次第知らせるとされています。
  • 受入れ見込数:特定技能1号は900人、育成就労は3,600人。

19分野の受入れ見込数

受入れ見込数は、2029年3月末までの受入れの上限として運用されます。2026年1月23日の閣議決定で、2024年3月に設定された特定技能の82万人に代わり、次の数が定められました。

分野 特定技能1号 育成就労 2024年3月設定の特定技能
工業製品製造業 199,500 119,700 173,300
飲食料品製造業 133,500 61,400 139,000
介護 126,900 33,800 135,000
建設 76,000 123,500 80,000
農業 73,300 26,300 78,000
外食業 50,000 5,300 53,000
ビルクリーニング 32,200 7,300 37,000
造船・舶用工業 23,400 13,500 36,000
自動車運送業 22,100 対象外 24,500
宿泊 14,800 5,200 23,000
漁業 14,800 2,600 17,000
物流倉庫(新) 11,400 6,900 ―
自動車整備 9,400 9,900 10,000
航空 4,900 対象外 4,400
木材産業 4,500 2,200 5,000
リネンサプライ(新) 4,300 3,400 ―
鉄道 2,900 1,100 3,800
林業 900 500 1,000
資源循環(新) 900 3,600 ―
合計 805,700 426,200 820,000

特定技能1号と育成就労を合わせると、上限は1,231,900人です。報道で使われる「123万人」はこの合計です。飲食料品製造業や外食業のように、2024年の設定より少なくなった分野もあります。

業界動向:上限に近づく分野

2026年6月末時点(速報値)の特定技能の在留者数は、1号が425,961人、2号が18,295人、合計444,256人で、過去最高でした。1号の分野別では次のとおりです。

分野 1号の在留者数 1号の受入れ見込数に対する割合
飲食料品製造業 100,769 約75%
介護 79,884 約63%
工業製品製造業 62,033 約31%
建設 52,132 約69%
外食業 49,060 約98%
農業 44,050 約60%

割合は、受入れ見込数をもとに計算した参考値です。外食業は上限の5万人に近づいたため、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が止まっています(外食業の受入れ停止の記事)。上限は「目安」ではなく、実際に受入れが止まる線として運用されています。

育成就労との関係

育成就労制度は2027年4月1日に始まります。新3分野も育成就労の対象で、本人の意向による転籍ができるまでの期間は、物流倉庫とリネンサプライが1年、資源循環が2年です。育成就労では、3年間で特定技能1号の水準まで育てることを目指します(育成就労制度の記事)。

なお、特定技能の19分野のうち、自動車運送業と航空は育成就労の対象外です。

業界ごとに、今できる準備

倉庫業・運送業

リネンサプライ業

廃棄物の中間処理業

食品工場(飲食料品製造業)

ラムナーリンクの見方(制度の説明ではなく、私たちの考えです)

食品工場では、製造の工程と、倉庫での保管や出荷の作業が同じ敷地で行われることがよくあります。分野が増えたことで、「この仕事はどの分野に当たるのか」を、採用の前に整理しておく大切さが増したと感じています。迷う場合は、仕事の内容を具体的に書き出したうえで、所管の省庁の公表資料や専門家に確認することをおすすめします。

よくある質問

新3分野は、いつから外国人を採用できますか?

特定技能1号では、リネンサプライが2026年6月1日から在留資格の申請ができるようになっています。物流倉庫と資源循環は、技能試験の時期などがまだ決まっていません。育成就労は、3分野とも2027年4月から始まります。

19分野すべてで、今すぐ受け入れられますか?

できません。新しい分野では試験や協議会の準備が続いており、外食業のように上限を超える見込みとなって新規の受入れが止まっている分野もあります。

上限に達するとどうなりますか?

外食業の例では、在留資格認定証明書の交付が止まり、ほかの在留資格からの変更も原則として許可されなくなりました。在留期間の更新は通常どおり審査されています。

派遣で受け入れられますか?

特定技能と育成就労で労働者派遣が認められているのは、農業分野と漁業分野だけです。資源循環分野は、運用方針で直接雇用に限るとされています。

まとめ

特定技能の対象は19分野に広がりましたが、新しい分野が実際に動き出す時期は分野ごとに違います。一方で、受入れ見込数は上限として運用され、上限に近い分野では新規の受入れが止まることもあります。

自社の仕事がどの分野に当たるか、いつ採用を始められそうかを確認するところから始めましょう。飲食料品製造業での採用や、受け入れ後の支援についても、お気軽にご相談ください。

この記事は、公開日または更新日の時点で確認できた情報にもとづく一般的な説明です。制度は変わることがあります。個別の事案は、出入国在留管理庁などの関係機関や、行政書士・弁護士などの専門家にご確認ください。編集方針

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